賃貸Housing
ラスベガスのコンドは、7割落ちてから3.6倍になった——家賃と住宅価格の25年Las Vegas condos fell 70%, then rose 3.6 times — 25 years of rent and home prices
最終更新: 2026年8月2日 | 最終確認: 2026年8月10日 | YO-MIDOKORO編集部 | 約7分

2006年に$205,485だったコンドが、2012年には$65,381。そこから2026年の年初来平均で$237,525まで戻りました。落ちて、戻って、それでも20年前をわずかに超えただけ。この街の住居費は「上がった」の一言では説明がつきません。
2006年、ラスベガスのコンドの典型的な値段は$205,485でした。
2012年、同じ数字が$65,381になります。7割近くが消えた計算です。
そして2026年、$237,525。これは通年の確定値ではなく、年初来の月次を平均した途中経過です。底から3.6倍に戻り、2006年のピークをようやく15.6%だけ上回りました。20年かけて、ほんの少し前に進んだ。それがこの街の持ち家です。
在住者が「家賃が高い」と言うとき、たいてい念頭にあるのはここ数年の話です。ただ、この街の住居費を25年の長さで見ると、上がり続けたわけでも、ずっと高かったわけでもありません。公表されている数字を並べ直すと、まったく違う形が出てきます。
借りる——3ベッドは25年で2.5倍
米住宅都市開発省(HUD)が、毎年クラーク郡の「中央値の家賃」を公表しています。安い順に並べてちょうど真ん中にくる物件の家賃、という意味です。
母集団には、知っておきたい線引きがあります。もとになるのは最近引っ越した人が借りている物件の家賃分布ですが、そこから公営住宅・新築・基準以下の物件が除かれます(24 CFR 888.113)。街の全物件の家賃ではありません。金額はgross rentで、家賃に光熱費を足したもの。ただし条文は「電話代を除く」と書いています。
3ベッドの数字を並べると、こうなります。
| 年度 | 3ベッドの家賃(中央値) |
|---|---|
| 2001 | $1,054 |
| 2006 | $1,195 |
| 2012 | $1,423 |
| 2019 | $1,505 |
| 2022 | $1,855 |
| 2023 | $2,236 |
| 2025 | $2,654 |
| 2026 | $2,626 |
25年で+149.1%。ただし、この表でいちばん見てほしいのは合計ではありません。2022年から2023年の1年で+20.5%という行と、2025年から2026年で-1.1%という行です。
3年で一気に上がって、いま止まった。それが直近の形です。2026年度の1ベッドは$1,608、2ベッドは$1,888、4ベッドは$3,008。
寝室が1つ増えるごとの上がり方には、25年変わらない形があります。ドル額の差は大きく開きました——1ベッド→2ベッドは2001年度の$121から2026年度は$280へ、2ベッド→3ベッドは$297から$738へ。けれど倍率で見ると、ほとんど動いていません。1→2は1.19倍から1.17倍、2→3は1.39倍から1.39倍、3→4は1.18倍から1.15倍。26年分を通してみても、2→3だけが1.4倍前後で、他の段は1.2倍前後。3ベッドに移るところだけ、段差が一段大きいという構造が、25年変わっていません。
「いつ来たか」で、見えている景色が違う
同じ街に住んでいても、家賃の話が噛み合わないことがあります。理由の1つは、起点の年が人によって違うからです。
3ベッドの家賃が2026年度までにどれだけ上がったかを、越してきた年ごとに計算するとこうなります。
- 2012年に来た人から見ると +84.5%
- 2017年に来た人から見ると +77.9%
- 2019年に来た人から見ると +74.5%
- 2022年に来た人から見ると +41.6%
同じ2026年の家賃を見ているのに、体感は倍近く違う。「ベガスの家賃は2倍になった」と言う人と「4割くらいでしょう」と言う人が、どちらも正しいということが起きます。
買う——一戸建て、タウンハウス、コンド
持ち家のほうは、下がり方が家賃とまったく違いました。
一戸建ての典型的な値段は2006年に$359,798、2012年に$138,482。-61.5%です。コンドはさらに深く、-68.2%。家賃は同じ時期に下がっていません(2006年$1,195→2012年$1,423)。戻り方も種別で違います。一戸建ての2026年は$454,355で、底から3.28倍、2006年のピークを26.3%上回りました。コンドは同じ2026年が$237,525で、ピーク超えは15.6%どまり。下げ幅はコンドのほうが大きく、戻りは一戸建てのほうが大きいという形です(2026年はどちらも年初来の途中経過)。
借りている人には起きなかったことが、買った人には起きた。この街の2000年代を語るとき、この非対称が抜けると話が合わなくなります。
2012年以降なら、物件の種別ごとに実際の成約価格が追えます。もとの数字はRedfinが公表している月次の成約価格中央値で、下の表は編集部がそれを成約件数で加重して年次にまとめ直したものです。Redfinが年間の中央値として公表している数字ではありません。月次の中央値を平均した値は、その年に売れた全物件を並べ直したときの中央値とは一致しないので、年ごとの水準と向きを見る数字として使ってください。
| 種別 | 2012年 | 2025年 |
|---|---|---|
| 一戸建て | $133,084 | $485,864 |
| タウンハウス | $78,950 | $352,259 |
| コンド | $60,488 | $249,831 |
13年で一戸建てが+265%、タウンハウスが+346%、コンドが+313%。いちばん伸びたのはタウンハウスで、いちばん小さいのが一戸建てです。安い順の並び(コンド→タウンハウス→一戸建て)は2012年から2026年まで一度も入れ替わっていません。3本の線は交わらないまま、間隔だけが広がった形です。
その数字、信じていいのか
ここまでの持ち家の金額には、注意書きが要ります。Zillowの数字は「いま売ったらいくらか」の推定値で、実際に売れた価格ではありません。Zillow自身が「売れた家だけでなく、その地域の住宅の全分布から典型的な物件の価値をとらえる」と説明しているとおり、売りに出ていない家も含めた推定を集めたものです。政府の統計でもありません。
使い分けはこうです。街全体が上がっているか下がっているかを見るならZillow(売れた家が少ない年でも途切れない)。実際にいくらで取引されたかを見るなら、ひとつ上の表に出したRedfinの成約価格です。
なので、政府の数字と突き合わせました。連邦住宅金融庁(FHFA)が住宅価格指数を出しています。元データはファニーメイ・フレディマックが1975年1月以降に買い取った住宅ローンで、郡単位の系列も公表されています。指数なので金額は出ませんが、形が合うかは確かめられます。
ただし、2つは同じ作り方の数字ではありません。FHFAの指数が見ているのは、ファニーメイかフレディマックが買い取った住宅ローンのついた一戸建てです。同じ物件が2回取引されたときの値動きを積み上げて作ります。この記事で使った全取引版には、借換えのときの鑑定評価も入ります。一方のZillowは、ローンの種類を問わず、その地域の住宅全体から典型的な物件の価値を推定したものです。母集団が違うので、比較にはZillow側も一戸建ての系列を使いました。
両方を2000年=100に揃えて26点を比べました。2本の線がどれだけ同じ形をしているかを0〜1で表す数字が0.995——1.00なら完全に同じ形です。ピークの年(2006年)も、底の年(Zillowは2012年、FHFAは2011年)もほぼ揃いました。2022年までは、差は最大でも11.3ポイントです。
ところが2023年から開きます。2000年を100としたとき、2025年はFHFAが306.4、Zillowが272.6。どちらも一戸建てを見ているのに、25年間の上がり幅が3.06倍と2.73倍に分かれたということです。家を買うか借りるかを決めるとき、どちらの数字を根拠にするかで判断が変わりうる差です。
つまりこうです。上がった・下がったという形は、どの出所を見ても同じ。けれど「直近3年でいくら上がったか」は、出所によって変わります。この記事の直近の数字は、そのつもりで読んでください。1つの数字を根拠に判断しないほうがいい、というのが25年分を並べてみて出た結論です。
この先の数字は出しません
将来の家賃や価格の予測は、このページでは扱いません。予測を出しているサービスもありますが、後から答え合わせのできない数字は載せない、というのがこの媒体の決めごとです。
代わりに、公表値が更新されたら数字を差し替えます。HUDの家賃は年に1回、ZillowとRedfinは月次です。FHFAは全国や州なら四半期ごとに出ますが、この記事で使った郡単位は年次の指数です。
寝室数ごとの家賃、物件種別ごとの価格、そして2000年からの全データは家賃と住宅価格の推移にまとめてあります。表はそのまま並べてあるので、自分が越してきた年を起点にして計算し直すこともできます。
※この記事は一般的な情報提供です。 個別の医療・法律・税務・移民・保険・金融に関する助言ではありません。制度・料金・要件は変わることがあり、実際の手続きや判断の前に、医師・弁護士・CPA(会計士)・各公式窓口など専門家にご確認ください。