交通 →Traffic → 今週号:This issue: 2026年8月3日(月)

ビザ・在留Visas & status

いざという時、名簿にあなたがいない——在留届とたびレジの分かれ道When something happens, you are not on the list — zairyu-todoke for residents, Tabi-Reg for visitors

分かれ目は3か月。在留届は、出したあとの届出まで含めて1つの手続き(本文より作図)
分かれ目は3か月。在留届は、出したあとの届出まで含めて1つの手続き(本文より作図)

ベガスで事件や災害が起きたとき、日本の親が最初にすることは「無事か」の確認です。総領事館もあなたを探そうとします。けれど在留届を出していなければ、総領事館はあなたの所在も連絡先も把握していません。3か月以上住むなら在留届、短期の旅行ならたびレジ。この線の引き方と、出したあとに抜けやすい一手を整理します。

住所や居所を定めて3か月以上滞在するなら在留届(義務)。3か月未満の旅行・出張ならたびレジ(任意)。 線はここです。あとは、なぜそれが効くのかの話をします。

ラスベガスで大きな事件や自然災害が起きたとき、何が起きるか。順を追うとこうなります。

日本のニュースが流れ、親や配偶者が青くなって電話をかけてくる。同時に、現地を管轄する総領事館は「この地域に住んでいる日本人は無事か」を確認しはじめます。その名簿の元になるのが、在留届です。

在留届を出していなければ、総領事館はあなたの所在も連絡先も把握できません。 安否の確認も、日本の留守宅への連絡も、そのぶん難しくなります。無事を確かめる手立てが、いちばん必要なときに一本細くなる。

在留届は「連絡網」ではなく「安否確認の名簿」

在留届というと、パスポートの更新案内が届くための登録、くらいに思われがちです。それは効用の1つでしかありません。外務省の説明は、もっと踏み込んでいます。

「在留届」は、外務省が海外にいる邦人の実態を把握したり、海外で邦人が巻き込まれたことが危惧される緊急事態やその他の事件・事故が発生したとき等、日本大使館・総領事館が在留邦人の安否を確認し支援を行ったり、メールによる迅速な情報提供を行ったりする際に欠かせない資料です。

つまり本来の目的は、緊急時の安否確認です。届くメールも、パスポートの案内だけではありません。公式が例に挙げているのは、大学構内で銃撃が発生したという緊急速報、現地の危険情報の更新、在外選挙の投票所開設のお知らせ、教科書配布の案内。生活と安全に直結する情報が、登録した連絡先にまとめて流れてきます。

ベガスに3か月以上住むなら、これは「出しておくと便利」ではなく、出しておくもの、です。

あなたはどっち——線は「3か月」

在留届とたびレジは、滞在の長さで分かれます。

  • 3か月以上、住所や居所を定めて滞在 → 在留届(義務)
  • 3か月未満 の旅行・出張 → たびレジ(任意の無料サービス)

外務省の案内も、この2つの線引きで書かれています。ORRネットのFAQは「在留届は、旅券法第16条の規定により、外国に住所等を定めて3か月以上滞在する日本人に、その住所等を管轄する日本大使館・総領事館への提出を義務付けているもの」とし、続けて「3か月未満の滞在の方は、「たびレジ」に登録するようお願いします」と書いています。なお同じ条文を、ORRネットのトップページは「海外に住所又は一時滞在先を定めて3か月以上滞在する日本人」と言い換えています。ホテルや短期契約の部屋でも、そこを生活の拠点にしているなら対象になり得る、という読み方です。

在留届が義務なのには、根拠があります。旅券法第16条が、外国に住所や居所を定めて3か月以上滞在する日本人に、その地域の領事官への届出を義務づけている。ORRネットはこの条文をそのまま引いて説明しています。

旅券の名義人で外国に住所又は居所を定めて三月以上滞在するものは、外務省令で定めるところにより、当該地域に係る領事官に届け出なければならない。

ネバダ州を管轄するのは在サンフランシスコ日本国総領事館です。届出はORRネットでオンライン完結。日本から引っ越す場合は、現地到着の90日前から提出できます。 渡航前の準備リストに、パスポートやビザと並べて入れておいていい項目です。

短期で来た人が、そのまま長期滞在に切り替わることもあります。当初は旅行のつもりでたびレジだけ、という人も、3か月以上になりそうなら在留届の対象かを確認してください。分かれ目は滞在期間に加えて、住所や居所(一時滞在先)を定めているかどうかです。

もうひとつ、住所も居所も定めずに車などで移動を続けながら3か月以上——という長期の車旅のようなケースもあります。これについても、たびレジのFAQに案内があります。「海外に3ヶ月以上滞在する予定ですが、登録は必要ですか?」という設問に対し、外務省は「外国での住所・居所を定めず3ヶ月以上渡航する場合にも、『たびレジ』をご利用下さい」と答えています。住所や居所が定まっていない間は、3か月以上の滞在でもたびレジの対象ということです。途中でラスベガスなど一か所に腰を落ち着けて住所・居所を定めたら、その時点で在留届の対象になるかどうかを、管轄の在サンフランシスコ日本国総領事館に確認してください。

何を登録するのか

在留届に必要なのは、次の情報です。

氏名、生年月日、パスポート情報、メールアドレス、在留地の住所・電話番号、職業、滞在期間、そして在留地の緊急連絡先。メールアドレスがそのまま利用者IDになります。

住所や電話が未定でも提出はできるので、「家が決まってから」と後回しにする必要はありません。ただし未定のまま出したら、決まり次第すぐ登録を。ORRネットの提出前の注意書は「現地到着後3か月を経過しても在留地の住所・電話番号が登録されない場合には、在留届が抹消されることがあります」と明記しています。もうひとつ、有効なパスポートを持たずに(失効済みの番号で)提出した場合は、提出日から7か月を過ぎても有効な番号が登録されないと抹消されます。届出は世帯ごとにまとめて行えます。家族で来ているなら、1つの届出に同居家族を載せられます。

出して終わり、ではない——ここが抜けやすい

在留届のいちばんの落とし穴は、出したあとにあります。

登録した中身が変わったら、変更届を出す。帰国したり別の国へ移ったりするときは、帰国・転出届を出す。施行規則は「遅滞なく」「(管轄区域を)去るときは事前に」と、タイミングまで定めています。ベガスは引っ越しの多い街です。住所や電話を変えたら、在留届も一緒に直す——これを習慣にしておくと、肝心の緊急連絡が宙に浮きません。

帰国・転出届を出し忘れると、こういうことが起きます。公式の説明です。

帰国・転出届の提出がないと、帰国された後も、注意喚起や安否確認のためのSMSやメールがみなさんの電話番号やメールアドレスに送信されることになります。緊急事態の際、日本大使館・総領事館は、既に帰国しているあなたの安否確認に時間をとられ、実際に滞在している他のみなさんの安否確認がそれだけ遅れることにもなりかねません。

自分が抜けるだけでなく、まだ現地にいる人の確認まで遅らせてしまう。届出は、出すのも消すのも意味があります。

放置した届出は、いずれ「転出したもの」として扱われます。たとえば登録した滞在終了予定日から1年以上が過ぎた場合や、パスポートの有効期間満了日から1年以上経った場合など、公式は複数の条件を挙げています。届けたはずが、いつの間にか外れていた、ということも起こり得ます。

短期で来る家族には「たびレジ」

日本から親や友人が遊びに来るとき、在留届は関係ありません。短期滞在者向けはたびレジです。外務省の最新の海外安全情報を日本語で受け取れる、無料の配信サービス。渡航国・渡航期間・氏名・連絡先を登録すると、出発前から旅先の注意情報が、旅行中も最新情報が届きます。

たびレジには、もうひとつ知られていない使い方があります。渡航予定がなくても、メールアドレスかLINEで簡易登録すれば、気になる国・地域の安全情報を受け取れる。 日本の家族に「アメリカの状況を日本語で追えるように」と勧めておくのにも使えます(簡易登録は情報配信のみで、緊急時の電話連絡の対象にはなりません)。

パスポートの更新やLV領事出張サービスの動線はパスポート更新の段取りに、渡米前後にやることの全体像は引っ越し前にやることにまとめています。アメリカ側の滞在期限(I-94)の確認は、日本への届出とは別の話です。混同しやすいのでI-94の確認方法で分けて扱いました。

登録はどちらも無料です。効いてくるのは、何も起きていない今ではなく、何かが起きたその日です。ベガスに腰を据えるなら、在留届だけは今日のうちに。

編集メモ:在留届・たびレジの制度、旅券法第16条と同施行規則第15条の条文、登録項目、変更届・帰国転出届の義務、「みなし転出」の扱いは、2026年7月10日に外務省オンライン在留届(ORRネット)とたびレジの各公式サイトで確認しました。2026年7月26日に再確認し、「3か月未満の滞在の方はたびレジ」というORRネットFAQの表現、トップページの「住所又は一時滞在先」という言い換え、現地到着後3か月・提出後7か月の抹消規定を原文で取り直しています。2026年7月27日には、住所・居所を定めず3か月以上渡航する場合の扱いをたびレジFAQ(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/faq.html Q8「海外に3ヶ月以上滞在する予定ですが、登録は必要ですか?」)で確認し、「外国での住所・居所を定めず3ヶ月以上渡航する場合にも、『たびレジ』をご利用下さい」という記載を本文に反映しました。具体的な提出画面の操作手順、書面提出の窓口対応、家族構成が特殊なケースの登録可否は、この記事では扱っていません。ORRネットのFAQに個別項目があります。制度は変わり得るため、提出前に公式サイトで最新の案内をご確認ください。この記事は一般的な情報であり、法律上の助言ではありません。


※この記事は一般的な情報提供です。 個別の医療・法律・税務・移民・保険・金融に関する助言ではありません。制度・料金・要件は変わることがあり、実際の手続きや判断の前に、医師・弁護士・CPA(会計士)・各公式窓口など専門家にご確認ください。在留届・たびレジ・旅券に関する個別判断は、必ず外務省または管轄の在外公館にご確認ください。
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外務省 オンライン在留届(ORRネット)/ たびレジ 各公式(旅券法第16条・同施行規則第15条)(2026年7月10日確認、2026年7月27日に再確認)

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